JUKEとわたし その1
大きなきっかけはこのREMIXだった。
Jukeという音楽ジャンルを知ったのは、雑誌remixか何かだったと思う。その当時は確かJersey clubとかも盛り上がり出した頃で、また流行りもんで2年後には消える系クラブミュージックかーとか思って興味が全くなかった。結果、いずれもそんなことなかったけど。
で、vampilliaメンバーからこのリミックスを教えてもらった。Juke自体は聴いたことなかったが、BPM160で三連符が多用されるといった情報だけ入っていたことと、リミックスしたマイク・パラディナスのレーベル「Planet Mu」からJukeのコンピレーションが出ていると聞いていたので、この音源はそれだなと合致した。
vampilliaのゴス要素がスリリングかつ、ダンサブルというよりは攻撃的なビートで編まれたこの音源をDJで使いたいと思い、いろいろ掘ることにした。そこで前述のコンピレーションを聴いた。
衝撃だった。
新時代の「Back From The Grave」だと思った。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Back_from_the_Grave_(series)
極端にハイが強調されたスネアが乱雑に叩かれ、ぶっきらぼうな重低音が暴れ狂い、慌ただしいくスリリングなホーンやオーケストラのサンプリングが唸り、2分台でスッと終わる。
ゲットーテックやハウスの文脈で生まれた音楽ではあるのだが、
自分にとってはガレージパンクの新しい形だと認識した。
それから自分の出番があるたびにかけようと試みるようになった。
幸い日本にはフリーコンピがたくさんリリースされている。それでいろんなトラックメイカーの名前を知っていった。
これは今でも使いまくってる曲が沢山。
japanesemutationbootyism.bandcamp.com
それまでメインにしていた4つ打ちやミニマルよりもかけた時の手応えがハンパなかった。ガレージパンクバンドでドラムをやっていた時の感覚が蘇ったのだった。
これにより、方向性に行き詰まっていたDJ活動に陰りを感じていたが、モチベーションがグッと上がることになる。
2013年の年末にDJ ZappingTVことユージくんにお誘いいただき、そこで初めてまともにJukeの現場を見ることに。
nunulaxnulanの、ニュースの解説 DENSHITOPIA meets BOOTYTUNE @難波Rockets 12/25
生でフットワークを見てコレが動画で見たやつか!と感動したのを覚えている。
初めて見たフルトノさんとカオルさんのDJでJukeは現場で鳴ると思っていたよりも"黒い"と感じ、文章で知っていたハウスの文脈で生まれた音楽であることを体験で答え合わせしたような気分になった。
ドラムとベース生演奏でJukeを行うオロリンズ、全員覆面でハナモゲララップ、VJプロジェクターを客席に浴びさせるSatanicpornocultshopのライブにやはりパンクもしくはポストパンクとしてのNew Waveを感じ、この国、というか大阪から生まれた独自性をわかりやすく体験したように感じた。
サタポってエレクトロニカっていうかアヴァンギャルドな電子音楽ユニットじゃなかったっけ?と驚いたのも憶えている。
イベントのトリにシークレットで登場した佐伯誠之助さん(によく似た人)によるライブで大団円だった。それもまた大阪っぽい。
その後もBooty Tunesのパーティーに足を運んだり、難波ロケッツで東京のパーティー「SHIN-JUKE」が行われると聞いて向かったりと現場に出向いた。そこで話題のNature Danger Gangを見て、新宿にヤバいシーンが存在していることを知った。
omochi records presents SHIN-JUKE in OSAKA
その後も、自分がレギュラーでDJさせてもらっていたイベント「いいにおい」や「世紀末」でJukeをかけ続けた。もう整合法では生粋のDJの方々には及ばないし、自分がやっても面白くないので、別ジャンルのBPM160に近いものをガンガン放り込むスタイルで行っていた。その中で、BPM110~120くらいのゴスめなオルタナティブハウスを繋ぐようにしたりと試行錯誤を繰り返した。
掘っていくうちにvampilliaのリミックスのようにゴスめなJukeもわりと存在することを知り、その辺を多く取り入れた。
Broken Fingersなるアーティストはそんな音源を大量に生んでいる。
そのBroken Fingersを紹介する日本語の文章を見つけた。書き手の名前はCRZKNYと書かれていた。
続く(かも)